
被害軽減ブレーキとは、前方の自動車等をカメラやレーダーなどで検知して、追突や衝突するおそれがある場合には、音や警告灯などでドライバーに警告してブレーキ操作による衝突回避を促し、さらにブレーキ操作が無くこのままでは追突や衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、追突や衝突による被害を軽減するため自動的にブレーキが作動する装置のことです。
自動車アセスメントでは、以下に対する被害軽減ブレーキの安全性能を試験し、評価を行っております。
ただし、条件によっては作動しない場合があります。(注意事項参照)
昼間の道路を横断中の模擬歩行者(ターゲット)に10~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
駐車車両がない見通しの良い乾燥した道路を向かって左から横断する場合(CPNシナリオ)と、向かって左側にある駐車車両の陰から道路を横断する場合(CPNOシナリオ)の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
※ 2019年度から"昼間"の記載をしております。
街灯がある夜間の道路を横断中の模擬歩行者(ターゲット)に30~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
対向車両がいない見通しの良い乾燥した道路を向かって右から横断する場合(CPFシナリオ)と、対向車両の後ろから道路を横断する場合(CPFOシナリオ)の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
試験は夜間に実施し、街灯がある道路環境を模擬しています。
街灯がない夜間の道路を横断中の模擬歩行者(ターゲット)に30~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
対向車両がいない見通しの良い乾燥した道路を向かって右から横断する場合(CPFシナリオ)と、対向車両の後ろから道路を横断する場合(CPFOシナリオ)の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
試験は夜間に実施し、街灯がない道路環境を模擬しています。
昼間の道路を横断中又は前方を直進中の模擬自転車(ターゲット)に10~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
15km/hで走行しているターゲットに後方から接近する場合(CBLシナリオ)と、ターゲットが遮蔽壁のある道路を向かって左から横断する場合(CBNOシナリオ)と、見通しの良い道路を向かって右側から道路を横断する場合(CBFシナリオ)の3種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
10~20km/hで試験車を右折させながら、30~60km/hで走行する模擬車両(ターゲット)に接近させ、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
試験車とターゲットの交差形態は、国内の事故実態等を考慮し、試験車の先端中心とターゲットの右前端(交差ポイント①)と試験車の左前端とターゲットの右前端(交差ポイント②)の 2 種類から自動車メーカーが指定した条件で試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突判定となった場合でも、衝突判定時にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
交差点を横断中の模擬歩行者(ターゲット)に10~30km/hで試験車を右折しながら接近させるか又は10~20km/hで試験車を左折しながら接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
以下の4種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
試験車を10~60km/h で模擬車両(ターゲット)に後方から接近させ、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
試験は、ターゲットが止まった状態での試験(CCRsシナリオ)と、20km/h で走行している場合(CCRmシナリオ)の2種類があります。警報またはブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
自動車が前方の自動車、歩行者や自転車等を検知し警告やブレーキの作動を行う「被害軽減ブレーキ」は、ドライバーがきちんと安全運転をしていることを前提にしています。
システムが作動する速度条件や認識できる距離は、検出装置の方式や車種によって異なります。
また、気象条件や路面状態等、周囲の環境や歩行者や自転車の状況等によってはシステムが作動しない場合や、十分な効果を発揮しない場合(※)があります。
取扱説明書でよく確認をしたうえで、システムに頼った運転はせず、安全運転をこころがけてください。