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脊髄損傷の方を介護しているご家族へ

 
 脊髄損傷とは


 本サイトにおける自動車事故による脊髄損傷による障害の状態とは、力強い外力により脊柱が損傷し、中を通っている脊髄が損傷を受け、損傷を受けた部位や損傷の程度によって、上下肢等の運動障害・感覚障害のほか、腹部臓器の障害など麻痺が発生している状態を指します。また、麻痺以外に、色々な全身の合併症が発生します。脊髄は一度損傷すると再生・修復が難しいとされています。身体障害者手帳は麻痺レベルによって差がありますが主に1級〜3級を取得されており、日常の介護には痰の吸引や経管栄養(胃ろう)等の医療行為や数時間おきの体位交換が伴う方も少なくありません。
 損傷の程度により、「完全損傷」と「不完全損傷」に分けます。「完全損傷」とは、脊髄の機能が完全に壊れた状態であり、脳からの命令は届かず、運動機能が失われます。また、脳へ情報を送ることもできなくなるため、感覚知覚機能も失われます。すなわち、「動かない、感じない」という状態となります(麻痺)。「不完全損傷」とは、脊髄の一部が損傷し一部機能が残った状態であり、感覚知覚機能だけが残った重症なものから、ある程度運動機能が残った軽症なものまであります。

脊髄損傷に関する支援団体・家族会等はこちら


「介護者なき後」いかなる生活を設計するか

 介護者の加齢等により介護力が低下した場合、または「介護者なき後」になった場合、当事者本人に十分な介護や看護が確保されない可能性があります。そのような場合には、介護者が担っていた介護力を補うために、さまざまな社会資源の確保等の対応が必要となります。介護者が健在なうちに当事者が希望する将来の生活を設計し、それを実現できる体制を整えておく必要があります。



 「介護者なき後」に過ごす場所

 脊髄損傷者では、医療行為等、身体面の管理の必要度や、障害の程度、就労の状況等によって、生活の場を決定していくことになります。 「介護者なき後」の人的資源、利用可能な施設やサービス等の社会資源、負担できる費用額等、条件が個々のケースで異なるため、生活設計の上で十分に検討する必要があります。


■ 施設入所の場合
 長期入所が可能な施設としては、障害者支援施設等があります。共同生活が可能であれば、グループホームという選択も可能かもしれません。他方、医療と常時介護を必要とする人は、療養介護施設(医療機関)も選択肢となるでしょう。様々なタイプの施設を比較検討してみる必要があります。
 施設の場合は、職員が常駐していますし、食事、入浴等、身の回りの世話を一括して任せることができます。医療行為を必要とする方、障害が特に重度で目を離すことができない場合は、常時介護を提供している障害者支援施設や療養介護施設(医療機関)等が安心でしょう。障害の程度によっては、より生活に重点を置いた施設を選択することもできる可能性があります。障害者支援施設は日中活動と住まいの場の両方の障害福祉サービスを提供する施設です。グループホームは、より一般住宅に近く、地域社会に溶け込む形で生活を送ることができますが、共同生活が可能であることが条件となります。
 介護者が健在なうちは、自宅から日中作業所等に通っているケースもありますが、それらの本人の活動が、「介護者なき後」に施設入所してからも継続できるよう、作業所、行政の関係機関、入所予定の施設、移送サービスの提供事業者等と話し合って、取り決めておく必要があります。遠方の施設に入所する場合は、新たに作業所等の活動の場を確保する必要があるかもしれませんので、関係機関と相談の上、取り決めておく必要があります。

■ 施設入所のために必要なこと
○ 施設選び  
 1.地域の施設情報についての相談
  客観的立場にある相談機関、同じ立場にある家族会等、複数から話を聞いてみてください。

 2.施設の見学と体験
  施設に実際に足を運んで、施設内を見学し、詳細を確認してください。また、ショートステイが利用できるようであれば、申請し、実際の様子を体験しておくことも有効です。

 3.複数の施設の見学
  施設選びにおいて、介護者の方が重視しているポイントもあると思いますので、複数の施設を見学して、比較検討してみてください。



○ 施設の予約
 ほとんどの障害者支援施設は待機者がいる状況であり、施設によっては数年の待機となる場合もあります。入所したい施設が決まったら、早めに入所の予約をしておいたほうがよいでしょう。施設入所までの流れは、市区町村の福祉課の相談窓口や施設に直接問い合わせるなどして、情報提供を受けるようにしてください。



○ 「介護者なき後」契約関係の確認
 「介護者なき後」の支払をどうするか、契約内容に変更が生じた場合の対応はどうするか、緊急連絡先はどうするか等、施設と取り決めておきましょう。 施設入所の場合でも、身元保証人や緊急連絡先を決める必要があります。また、各種支払や契約変更の手続、手術が必要になった場合の対応等についても、それぞれ対応できる人材が必要となりますので、兄弟や親族、成年後見人等いざというときに対応できる人材を確保しておく必要があります。


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