
交通事故で脳が損傷され意識不明となり、一命はとりとめたものの、重度の後遺障害(遷延性意識障害)に陥る被害者は、後を絶ちません。
自動車事故対策機構では、自動車事故による脳損傷によって重度の後遺障害が残り、治療と常時の介護を必要とする方のうち、入院の要件に該当する方に入院していただき、社会復帰の可能性を追求しながら手厚い治療と看護並びにリハビリテーションを行う重度後遺障害者(遷延性意識障害者)専門の病院であるナスバ療護センターを国内4か所に、療護センターに準じた治療と看護を行うナスバ委託病床を国内8か所に設置・運営しています。
これらの療護施設への入院期間は概ね3年以内とし、入院の承認は、治療及び介護の必要性、脱却の可能性等を総合的に判断して行われます。
ワンフロア病棟システム
これらの療護施設では、高度先進医療機器(CT、MRI、PET等)を用いた検査情報を基に、個々の患者様に合った効果的な治療、リハビリの方針を策定し、対応しています。
また、入院患者様のわずかな意識の回復の兆しをもとらえることができるよう、ワンフロア病棟システム(一部委託病床ではモニタリングシステム)を取り入れて、集中的に看護できるようにするとともに、同じ看護師が一人の入院患者様を継続して受け持つプライマリー・ナーシング方式の看護体制を導入しています。その上で、日常生活を通じた多くの自然刺激を与え、細やかな配慮のもとに看護を行っています。