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予防安全性能アセスメントの概要

目的

 国土交通省と(独)自動車事故対策機構は、衝突が避けられない場合に自動でブレーキをかける技術など自動車の先進安全技術について新たに評価を始めました。
 これを「予防安全性能アセスメント」といい、先進安全技術を搭載した自動車の安全性能について様々な試験を行い、その結果をここにまとめました。
 この予防安全性能アセスメントは、それぞれのユーザーの皆様にとって最適な自動車を選んでいただく上で参考になる情報を提供するためのものです。
 ユーザーの皆様に是非知っていただきたい「先進安全技術の機能や性能、留意事項」について、正しい知識を分かりやすく解説すると共に、車種ごとに性能を比較して掲載しています。
 「予防安全性能アセスメント」は多くの皆様に、より安全な先進安全技術を搭載した自動車を利用していただくことで交通事故を減らしていこうとするものです。同時にそれぞれの自動車の評価をして比較することで自動車メーカーにはより安全な自動車の開発を促すものでもあります。

試験方法・評価方法

被害軽減ブレーキ(前方自動車との衝突に対して)

 試験車を10~60km/h で模擬車両(ターゲット)に後方から接近させ、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
 試験は、ターゲットが止まった状態での試験(CCRsシナリオ)と、20km/h で走行している場合(CCRmシナリオ)の2種類があります。警報またはブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。

※正式名称:衝突被害軽減制動制御装置:Autonomous Emergency Braking System(AEBS)

衝突被害軽減制動制御

被害軽減ブレーキ(前方歩行者との衝突に対して:昼間)

 道路横断中の模擬歩行者(ターゲット)に10~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
 見通しの良い道路を向かって左から横断する場合(CPNシナリオ)と、駐車車両の陰から道路を横断する場合(CPNOシナリオ)の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。

※正式名称:衝突被害軽減制動制御装置:Autonomous Emergency Braking System(AEBS)

衝突被害軽減制動制御

被害軽減ブレーキ(前方歩行者との衝突に対して:夜間[街灯あり])(平成30年度から)

 道路横断中の模擬歩行者(ターゲット)に30~60km/h で試験車を接近させて、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
 対向車両がいない見通しの良い道路を向かって右から横断する場合(CPFシナリオ)と、対向車両の後ろから道路を横断する場合(CPFOシナリオ)の2種類の交通環境を想定した試験を行います。警報又は被害軽減ブレーキの作動により衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの程度速度が低下していたかを確認し、それぞれの場合に応じて得点が与えられます。
試験は夜間に実施し、街灯がある道路環境を模擬しています。 

※正式名称:衝突被害軽減制動制御装置:Autonomous Emergency Braking System(AEBS)

衝突被害軽減制動制御

車線逸脱抑制装置

 試験車両を60km/h及び70km/hで道路に引かれた車線からはみ出すように走行させたときに、車線を維持するよう試験車両を制御するか否かを確認します。車線逸脱量が少ない場合に高い得点が与えられ、車線逸脱量が多い場合は得点が低くなります。車線逸脱量が一定量を超えていた場合でも、警報が適切な位置で作動していれば得点が与えられます。

※正式名称:車線逸脱抑制装置:Lane Departure Prevention System (LDPS)

車線逸脱抑制装置

車線はみ出し警報(平成28年度まで)

 試験車を時速60km/h または70km/h で道路の片側に引かれた白色の破線から少しずつはみ出すように走行させたときに、適切な位置で警報を発するか否かに加えて、複数の種類の警報を発するか、警報によってはみ出した方向がわかるかを確認します。複数の種類の警報を発する、あるいは、はみ出した方向がわかる場合に、また、低い速度から機能する場合に、得点が高くなります。
 なお、この試験では、道路の両側に引かれた白線を検知して、車が車線から逸脱しそうな場合に自動的に警報を発するとともにブレーキや操舵により車線内に戻そうとする、いわゆる「車線逸脱防止装置」(例:平成27年度予防安全性能評価対象車種のメルセデス・ベンツ Cクラス)は評価していません。

※正式名称:車線逸脱警報装置:Lane Departure Warning System (LDWS)

車線逸脱警報装置

後方視界情報

 ドライバーのバック時の行動に関する実験データと歩行者の移動等のパターンを組み合わせたシミュレーションにより求めた事故の危険性が高い後方エリアを全てカバーできるよう、視対象物(ポール)を配置します。具体的には、3.5m先の遠方エリアに3本、巻き込みやすい左右の近傍エリアに2本、子供が入り込む可能性のある車両のすぐ後ろとなる近接エリアに3本設置して確認します。
 視対象物の大きさは、縁故者事故で件数が多い1~2歳児を想定しました。遠方エリアについては、1~2歳児の移動時を想定して平均身長である高さ90cmとしました。近傍エリアと近接エリアについては、より厳しい条件となる1~2歳児がしゃがんだ状態を想定して高さ60cmとし、視認要件の一つであるマーキングエリアについては、1~2歳児の平均肩幅程度となる20cm幅を採用しました。
 評価点については、既に評価を行っている衝突被害軽減制動制御装置(AEBS)、車線逸脱警報装置(LDWS)と同様の方法で、事故低減効果に応じて与えることとしたところ6点の配点となりました。試験の結果、適合要件を満たさない箇所等があれば減点します。

高機能前照灯(平成30年度から)

 夜間走行時に前方の交通状況によって、前照灯の照射範囲を自動的に適切なものへ変更させることを目的とした「自動防眩型前照灯」又は「自動切替型前照灯」の機能を備えているか否かを確認します。同じ機能でも低速から作動する装置に高い得点が与えられます。

高機能前照灯

ペダル踏み間違い時加速抑制(平成30年度から)

 ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えた状況を模擬するために、試験車を模擬車両(ターゲット)に接近させ、停止状態から急速にアクセルペダルを踏み込みます。その際に、衝突防止または被害軽減のために急発進、急加速を抑制するかを確認します。
 この試験は、車両が前方にある状態から前進状態において発進する場合と、後方に車両がある状態から後退状態において発進する場合の2種類の交通環境を想定した試験を行います。衝突を回避したか、あるいは衝突した場合でも、衝突時の速度をどこまで低減できたかを確認し、回避あるいは減速量に応じて得点が与えられます。

高機能前照灯

総合評価

 評価点は、日本の事故実態を踏まえて死亡・重傷事故を少なく出来る効果に応じて与えられ、その合計が12点を超えると「ASV+」(エーエスブイ プラス)、46 点を超えると「ASV++」(エーエスブイ ダブルプラス)として認定されます。さらに86点を超えると「ASV+++」(エーエスブイ トリプルプラス)として認定されます。