
平成25年11月15日
(独)自動車事故対策機構(ナスバ)
企画部 佐々木、亀井、大塚
電話 03-5608-7584
指導講習全体の受講者数は、実施回数が前年同期より少ないため63,766人となりました(前年同期比8%減)。
インターネット予約による受講割合は、電話・FAXによる予約よりも予約開始日を早めるなど利便性の向上を図るとともにその積極的なPRを実施したことにより、76.0%(前年同期比28.8ポイント増)となり順調に推移しています。インターネット予約の増加は利用者の利便性向上だけでなくナスバの業務効率化にも寄与しています。
適性診断全体の受診者数は、前年同期とほぼ横ばいの248,704人となりました(前年同期比1%減)。
インターネット予約による受診割合は、予約方法について、指導講習と同様の取組を実施した結果、49.7%(前年同期比21.9ポイント増)となり順調に推移しています。
また、i-NATS(注1)導入契約事業者及び貸出機器による支所以外での一般診断の受診割合は、49.6%(前年同期比2.3ポイント増)となっています。
(注1) i-NATSとはインターネットを活用した適性診断システムのこと。
新たに実施機関となろうとする民間団体等へ認定取得のために必要な研修を開催しました。
追加開催の要望に応えるため、下半期にも要件研修を実施する予定です。
ナスバが各要件研修の実施、実務面での支援として指導講習テキストの提供、i-NATSの提供及び参入に関する問合せ等への対応を行った結果、指導講習では10者(累計17者)、適性診断では14者(累計28者)が新たに参入をしております。
自動車運送事業者における運輸安全マネジメントの取組を支援することを目的として、上記(1)の安全マネジメント関連講習会での概要説明に加え、外部機関が主催するセミナーや研修会に講師を派遣し、ISO39001の制定の経緯・意義及び本規格の要求事項についての解説を行いました(講師派遣実績9件)。 また、ISO39001取得のためのコンサルティング業務を実施し、これまでに事業者9者から受注し、うち2者が認証取得に至っています。
このような普及・啓発活動の実施により、全体的な認証取得事業者数は37者(ナスバ調べ)となっています。
加えて、ナスバが編集及び執筆に関与したISO39001の解説書が10月15日に発売されました。
(注2)国際標準化機構(ISO)において定められた国際規格の一つで、「道路交通事故による死亡・重傷ゼロ」を目指し、昨年10月1日に発行
10月8日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)において「第8回ナスバ安全マネジメントセミナー」を開催し、711人の方にご参加いただきました。
セミナーでは、基調講演として、医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリニック代々木理事長井上雄一氏をお招きし、「良質な睡眠と健康管理」をテーマに睡眠のメカニズムと病気の関係等についてご講演いただきました。また、ナスバよりISO39001の国際動向等について情報提供を行うとともに、ISO39001認証取得企業及び審査機関によるパネルディスカッションを行い、認証取得までの経緯についてお話を伺うとともに、コーディネーターの八塩圭子さん(フリーアナウンサー)を起点に、事故削減に向けた各社の取組やその効果に関して活発な討議が行われました。
また、今回初めての取組として介護料受給者であるNPO法人広島頸髄損傷Life Net理事長徳政宏一氏より、交通事故により車いす生活となってからの活動内容や交通事故防止への願いについてご講演いただきました。
(公社)日本バス協会の貸切バス安全性評価認定制度について、昨年度に引き続き、同制度へ申請した事業者のうち189事業者に対し現地訪問による審査を実施しました。
(注3)(公社)日本バス協会において、観光バス等の貸切バス事業者からの申請に基づき安全性や安全の確保に向けた取組状況について評価認定を行い、これを公表するもの
新高速乗合バス等適正化実施機関による巡回指導について、高速ツアーバス連絡協議会より協力要請があり、44社に対し事業所に出向き書類確認等を行いました。
(注4)高速ツアーバス連絡協議会が主体となり、「新高速乗合バス等適正化事業実施機関」を設置し、高速ツアーバスから高速乗合バスへの移行事業者等に対し、巡回指導による安全管理チェックを行い、移行の促進及び移行後の事業の適正な運営を支援するもの
入院患者(遷延性意識障害者)の状態に応じた適切な治療及び看護等に努めた結果、療護施設(注6)の脱却者数は、年度目標19人に対し12人になりました。
(注5)意思疎通・運動機能が一定以上改善し、療護施設を退院した患者の数
(注6)ナスバが、遷延性意識障害者の専門病院として設置・運営委託を行っている療護センター(全国に4箇所)及び、ナスバ委託病床(全国に3箇所)の総称
治療・看護機会の拡充を目的とした委託病床の設置については、近畿地区おいて平成25年1月4日に8床により開設した泉大津市立病院(大阪府泉大津市)が、4月1日より16床に増床し、5月末には満床となりました。
(注7)一般病院の施設を利用した療護施設機能を有する病床
他の医療機関への周知を図る観点から、5月に開催された第33回日本脳神経外科コングレス総会のランチョンセミナー(学会主催枠)において、ナスバ本部及び千葉療護センターから、「遷延性意識障害患者の治療について」を発表しました。
また、治療改善効果を高めるため事故後早期の入院ができるよう、救命救急センター等の病院、損害保険会社の保険金支払い部門、被害者家族団体等を通じ、自動車事故被害者に対して、療護施設の広報を行っています。
療護センターで得られた知見・成果を他の医療機関等において最大限活用する観点から(3)に掲げた広報の取組のほか日本意識障害学会等において計33件の学会発表を行うとともに、短期入院協力病院及び短期入所協力施設の看護師32人に対する専門研修を実施しています。
介護料受給資格者(注8)等の支援のため、直接自宅を訪問して、介護に関する相談・情報提供を行う訪問支援について、年度目標45%に対し24.8%、1,150件を実施しました。介護に関する相談対応・各種情報提供・短期入院・入所などのコーディネート等の支援を実施しました。
(注8)介護料受給資格者とは、後遺障害の程度に応じて介護料受給資格の認定を受けた者
訪問支援による精神的な面での支援に加え、同じ境遇にある各家庭の介護者等が介護における悩みを共有し、互いに情報交換をしていただくように交流会を6支所において開催し、残りの支所についても下半期に実施することを予定しています。
自動車事故を原因とする重度の後遺障害により、常時又は随時の介護が必要な方に対し、後遺障害の程度、介護の状況に応じて介護料を支給しました。介護料受給資格者数は、4,684人となっています(前年同期比0.9%増)。
今後も被害等の状況に応じた介護料の支給を適切に行っていきます。
介護料受給資格者に係る短期入院・入所費用に係る助成について、延べ509人に対して行いました(前年同期比13.6%増)。
また、短期入院協力病院(注9)(以下「協力病院」)の利用促進を図るため、訪問支援・交流会を通じ、介護料受給資格者と協力病院間とをつなぐコーディネートを積極的に行っています。
(注9)短期入院協力病院とは、国土交通省が指定した介護料受給資格者の短期入院(原則、1回の入院が2日以上14日以内)を積極的に受け入れている病院のこと
自動車事故による交通遺児等の方に対する育成資金の新規貸付は12件あり、貸付利用者総数は281人となりました。貸付制度の広報のため、各主管支所・支所を通じ、損害保険協会、JA共済、市町村、教育委員会等へリーフレットを配布しています。
また、交通遺児とその家族を会員とする「友の会」において、以下の活動を行い、被害者家族同士のコミュニケーションや交通遺児等の健全な育成を図る精神的支援を行いました。
被害者家族同士の交流の場として「友の会の集い」を全50支所で実施し、そのうち40支所においては、より一層のコミュニケーションを図る目的から1泊2日の行程で実施しました。
「友の会」に所属する交通遺児の保護者同士が悩み事を語り合い親睦を深める場として「保護者交流会」を全50支所で延べ55回実施しました。
コスモ石油(株)主催の2泊3日のキャンプ体験や、マツダ(株)主催のプロ野球オールスターゲームの招待等、多くの企業等から友の会会員にご支援をいただきました。
ホットラインへの相談件数は、インターネットを情報源とする相談が増加し、1,633件となりました(前年同期比5.4%増)。主な問い合わせ内容は、「事故後の対応や事故に関する全般的なこと」、「保険金・保険会社に関する問い合わせ」、「ナスバのサービス(介護料・貸付制度等)を教えて欲しい」でした。
本年5月に韓国で開催されたGlobal NCAP会議(注10)並びにESV会議におけるNCAPに関するセッションにおいて、ナスバの近年の活動について発表、報告を行いました。当該会議等においては、各NCAP実施機関から各NCAPの実施状況や将来の取組について報告されるとともに、NCAPにおける課題等について情報共有が図られました。
(注10)アセスメント実施機関による国際会議(NCAPとはNew Car Assessment Program)
ホームページへのアクセス件数は、自動車アセスメント関係が最も多く357,393件、次いで事故防止関係(指導講習・適性診断等)の194,443件となっております。
自動車事故被害者(交通遺児や障害を負った方)が描いた絵や写真等を展示し、「被害者に寄り添える場所」として、また、適性診断で訪れるドライバー等に「交通安全意識を高めてもらうこと」を目的としてナスバギャラリーを主管支所事務所内に設置しています。昨年度に設置した広島主管支所及び東京主管支所に続き、他支所においても順次設置を拡大しています。ナスバギャラリーは、被害者支援と事故防止を一体として行っているナスバにしか出来ない「ギャラリー」となっています。
また、5月末~6月初めにかけて支所外での展示を東京メトロ銀座線三越前駅、同日比谷線銀座駅構内にて開催しました。約2万5千人の方にご覧いただき、介護料受給者(自動車事故により重度後遺障害を負った方)、交通遺児等(保護者が自動車事故により死亡又は重度後遺障害を負った児童)の支援について、一般の方向けに情報発信することができました。来場者からは当機構の援護制度に共感する声が多く寄せられました。
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