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~ ナスバ平成26年度上半期業務実績 ~

◎被害者援護業務の充実強化に向けた体制整備
◎安全指導業務への民間参入が順調に増加
◎N-RTSマネジメントシステムの構築
◎予防安全性能アセスメント評価を開始

平成26年11月28日
ナスバ(自動車事故対策機構)
企画部 関上、亀井、大塚

1.組織運営の効率化

10月1日から毎週木曜日を「被害者援護促進の日」と位置付け、原則として適性診断を実施しない日とすることにより、被害者援護業務への経営資源のシフトを図る等の体制整備を図ったほか、自動車アセスメント業務の更なる充実強化に向け、本部に自動車アセスメント部を新設しました。

2.指導講習

指導講習全体の受講者数は、前年同期とほぼ横ばいの63,209人となりました(前年同期比1.1%減)。

インターネット予約により早期予約が可能となる等の利便性を強調して説明したことにより、利用者が増え、インターネット予約による受講割合は、年度目標50%を大きく上回る84.8%(前年同期比8.8ポイント増)となりました。インターネット予約の増加は利用者の利便性向上だけでなくナスバの業務効率化にも役立っています。

3.適性診断

適性診断を受けている様子の写真

適性診断全体の受診者数は、前年同期とほぼ横ばいの249,719人となりました(前年同期比0.4%増)。

予約方法について、指導講習と同様の取組を実施した結果、インターネット予約による受診割合は、年度目標50%を上回る65.8%(前年同期比16.1ポイント増)となっています。

また、i-NATS(注1)導入契約事業者及び貸出機器による支所以外での一般診断の受診割合は、51.4%(前年同期比1.8ポイント増)となっています。

(注1) i-NATSとはインターネットを活用した適性診断システムのこと。

4.安全指導業務(指導講習・適性診断)の民間参入支援

適性診断事業実施機関となっている団体等に対し、ナスバが開発したi-NATSによる適性診断の測定業務の提供を10,604件(前年同期比166.2%増)、また、指導講習事業実施機関となっている団体等に対し、ナスバの作成した指導講習教材の提供を8,108部(前年同期比223.7%増)行いました。さらに、国土交通省の認定資格要件を取得される団体等向けに、適性診断事業の「第一種カウンセラー要件取得研修」及び指導講習事業の「第一種講師要件取得研修」を実施しました。このような民間団体等の認定取得の支援を行った結果、指導講習では累計33者、適性診断では累計38者が、国土交通省の認定を受け、事業実施に参入しています。

5.安全マネジメント関連業務

(1)安全マネジメントコンサルティング等

運送事業者等に対して運行の安全管理体制の構築等を支援するため、コンサルティング、講師派遣、安全マネジメント関係講習会を実施しました。コンサルティング・講師派遣については、234件となりました。安全マネジメント関係講習会については、国土交通省認定セミナー「ガイドライン」、「リスク管理(基礎)」、「内部監査(基礎)」を開催し、全体の受講数は、前年同期と比べて大幅増となる2,538人となりました(前年同期比56%増)。

(2)ISO 39001(道路交通安全マネジメントシステム)(注2)の普及・啓発活動

運送事業者等における道路交通安全マネジメントシステムの普及・啓発を図ることを目的として、ナスバが開催したISO 39001紹介セミナーでの規格概要説明に加え、外部機関が主催するセミナーや研修会に講師を派遣し、ISO 39001の制定の経緯・意義及び本規格の要求事項についての解説を行いました。

このような普及・啓発活動の実施により、認証取得事業者数は93者(ナスバ調べ)となっています。

さらに、道路交通安全マネジメントシステム規格の認証取得により、自動車事故の減少及びそれに伴うコスト低減等の具体的な成果に繋げるため、我が国において自動車運送事業者等を対象にISO 39001の要求事項に加えて更なる安全対策の実施を求めるスキーム(N-RTSマネジメントシステム)を作成しました。

(注2) 国際標準化機構(ISO)において定められた国際規格の一つで、「道路交通事故による死亡・重傷のゼロ」を目指し、2012年10月1日に発行

(3)安全マネジメントセミナーの開催

安全マネジメントセミナーの開催の様子の写真

10月17日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)において「第9回ナスバ安全マネジメントセミナー」を開催し、1,034人の方にご参加いただきました。

セミナーでは、自動車ハード面の安全対策に関する講演や、事業用自動車に対する安全対策をテーマにした報告等により、事故防止に関する最新の情報提供を行いました。また、過去のセミナー参加者の意見・要望を踏まえ、運送事業者の安全マネジメントの取組事例の報告を全ての参加者が聴講できるよう、会場をひとつに集約する等の取組みを行った結果、セミナー参加者数は過去最大となりました。

(4)貸切バス事業者安全性評価認定制度(注3)への協力

(公社)日本バス協会の貸切バス事業者安全性評価認定制度について、昨年度に引き続き、同制度へ申請した事業者のうち117事業者に対し現地訪問による審査を実施しました。

(注3) (公社)日本バス協会において、観光バス等の貸切バス事業者からの申請に基づき安全性や安全の確保に向けた取組状況について評価認定を行い、これを公表するもの

6.療護施設の設置・運営

(1)脱却者数(注4)

入院患者(遷延性意識障害者)の状態に応じた適切な治療及び看護等に努めた結果、療護施設(注5)の脱却者数は、年度目標19人に対し12人になりました。

(注4)意思疎通・運動機能が一定以上改善し、療護施設を退院した患者の数

(注5)ナスバが遷延性意識障害者の専門病院として設置・運営委託を行っている療 護センター(全国に4箇所)及びナスバ委託病床(全国に3箇所)の総称

(2)ナスバ委託病床(注6)の拡充

関東西部地区における新たな委託病床については、神奈川県内の病院を中心に、個別に事務部門の関係者等に対して、電話又は面会により事業内容の説明及び意見聴取を行っています。

(注6)一般病院の施設を利用した療護施設機能を有する病床

(3)療護施設の広報

治療改善効果を高めるため事故後早期の入院ができるよう、救命救急センター等の病院、損害保険会社の保険金支払い部門、被害者家族団体等を通じ、自動車事故被害者に対して、療護施設の広報を行っています。

(4)療護施設の治療・看護の普及活動

療護センターで得られた知見・成果を他の医療機関等において最大限活用する観点から(3)に掲げた広報の取組のほか第23回日本意識障害学会等において計31件の学会発表を行うとともに、短期入院協力病院及び短期入所協力施設の看護師等37人に対する専門研修を実施しました。

7.重度後遺障害者に対する援護

(1)訪問支援

介護料受給資格者(注7)等の支援のため、直接自宅を訪問して、介護に関する相談・情報提供を行う訪問支援について、年度目標50%に対し23.2%、1,080件を実施しました。介護に関する相談対応・各種情報提供・短期入院・入所などのコーディネート他の支援を実施しました。

(注7)介護料受給資格者とは、後遺障害の程度に応じて介護料受給資格の認定を受けた者

(2)介護料受給者等の交流会

介護料受給者等の交流会の様子の写真

訪問支援による精神的な面での支援に加え、同じ境遇にある各家庭の介護者等が介護における悩みを共有し、互いに情報交換をしていただくように交流会を9支所において開催し、残りの支所についても下半期に実施することを予定しています。

全国を8ブロックに分けて、被害者団体50団体57名と、ナスバが行う被害者援護業務の充実や被害者団体の要望等の幅広い内容で意見交換会を初めて開催しました。

(3)介護料の支給

自動車事故を原因とする重度の後遺障害により、常時又は随時の介護が必要な方に対し、後遺障害の程度、介護の状況に応じて介護料を支給しました。介護料受給資格者数は、4,631人となっています。

今後も被害等の状況に応じた介護料の支給を適切に行っていきます。

(4)短期入院・入所への支援

介護料受給資格者に係る短期入院・入所費用に係る助成について、延べ546人に対して行いました(前年同期比7.3%増)。

また、短期入院協力病院(注8)(以下「協力病院」)の利用促進を図るため、訪問支援・交流会を通じ、介護料受給資格者と協力病院間とをつなぐコーディネートを積極的に行っています。

(注8)短期入院協力病院とは、国土交通省が指定した介護料受給資格者の短期入院(原則、1回の入院が2日以上14日以内)を積極的に受け入れている病院のこと

8.交通遺児等に対する支援

自動車事故による交通遺児等の方に対する育成資金の新規貸付は16件あり、貸付利用者総数は228人となりました。貸付制度の広報のため、各主管支所・支所を通じ、損害保険協会、JA共済、市町村、教育委員会等へリーフレットを配布しています。

また、交通遺児とその家族を会員とする「友の会」において、以下の活動を行い、被害者家族同士のコミュニケーションや交通遺児等の健全な育成を図る精神的支援を行いました。

(1)友の会のつどい

友の会のつどいの様子の写真

被害者家族同士の交流の場として「友の会のつどい」を全50支所のうち45支所で実施しました。

(2)保護者交流会

保護者交流会の様子の写真

「友の会」に所属する交通遺児の保護者同士が悩み事を語り合い親睦を深める場として「保護者交流会」を全50支所のうち45支所で延べ54回実施しました。

(3)企業等からの支援

企業等からの支援の様子の写真

コスモ石油(株)主催の2泊3日のキャンプ体験や、マツダ(株)主催のプロ野球オールスターゲームの招待等、多くの企業等から友の会会員にご支援をいただきました。

9.ナスバ交通事故被害者ホットライン利用実績

ホットラインへの相談件数は、インターネットを情報源とする相談が増加し、1,521件となりました。主な問い合わせ内容は、「事故後の対応や事故に関する全般的なこと」、「保険金・保険会社に関する問い合わせ」、「損害賠償」についてでした。

10.自動車アセスメント情報提供業務

(1)予防安全性能アセスメント評価の開始・公表

予防性能アセスメント評価を実施している様子の写真

近年の安全な自動車へのニーズの高まりとともに、緊急時に自動でブレーキをかける技術のような事故を未然に防止する技術、いわゆる「予防安全技術」を搭載した車が急速に普及しています。このことを踏まえ、本年度から新たに、予防安全性能アセスメント試験として、衝突被害軽減制動制御装置(AEBS(注9))及び車線逸脱警報装置(LDWS(注10))の2つの装置について試験を開始しました。

平成26年度前期に試験を実施した26車種(8メーカー)の評価結果について、10月に公表しました。予防安全性能アセスメントの評価結果の見方、試験方法の概要などについては、以下のホームページをご参照ください。

(注9)Autonomous Emergency Braking System

(注10)Lane Departure Warning System

予防安全性能アセスメントHP:http://www.nasva.go.jp/mamoru/active_safety_search/

(2)自動車アセスメント試験車両の地方展示

自動車アセスメント試験車両の地方展示の様子の写真

自動車アセスメント業務等を周知するため、新たな試みとして地方支所内や各種イベントに自動車アセスメント試験に使用した車両を展示しました。

広島主管支所内において5月に実施した展示会では、事務所に来所した指導講習受講者・適性診断受診者をはじめ、多くのユーザーにご覧いただきました。また、介護料受給者等の交流会を同時開催することで、被害者支援と事故防止を一体として行っているナスバならではの展示会を開催しました。

この他、「子ども霞ヶ関見学デー」、「第9回倉敷ナンバー記念祭&秋のマイカー点検教室」等、本部・地方支所合わせて8ヶ所の各種イベントで、試験車両の展示や簡単・確実な装着が可能なISO-FIX方式のチャイルドシートの装着体験を実施し、安全な自動車、チャイルドシートの普及に取り組みました。

(3)自動車アセスメント関係国際会議に参加

本年10月に中国で開催されたGlobal NCAP会議(注11)並びに国連交通安全サミットにおけるNCAPに関するセッションにおいて、ナスバの近年の活動について発表、報告を行いました。当該会議等においては、各NCAP実施機関から各NCAPの実施状況や将来の取組について報告されるとともに、NCAPにおける課題等について情報共有が図られました。

(注11)アセスメント実施機関による国際会議(NCAPとはNew Car Assessment Program)

11.広報実績

(1)ナスバホームページのアクセス件数

ホームページへのアクセス件数は、約117万件と昨年同期の約115万件を上回りました。中でも、自動車アセスメント関係が最も多く364,521件、次いで事故防止関係(指導講習・適性診断等)の191,347件となっています。

(2)本部及び地方支所における広報

①   本部では、本年4月に東京都江東区で行われた「交通安全。アクション2014(主催:(一社)日本自動車会議所)」に出展し、i-NATSの体験受診を実施するとともに、安全指導業務、被害者援護業務及び自動車損害賠償保障制度周知などの広報を行いました。
 また、昨年度に引き続き銀座線三越前駅構内において「ナスバギャラリーIN東京」を12月に開催して、介護料受給者、交通遺児等が創作された作品を展示し、一般の方にナスバの被害者支援に関する情報発信を行う準備を進めています。

②   各支所において、交通安全県民フェア等の各種イベント等に積極的に参画し、動体視力やi-NATSの体験受診、自動車アセスメント試験車両の展示等を行うとともに、被害者援護業務及び自動車アセスメント等のパンフレットを配布し、ナスバ業務のPRを実施しました。

(3)機構概要(英文版パンフレット)の作成

ナスバが、安全指導業務、被害者援護業務及び自動車アセスメント情報提供業務を一体的に実施する自動車事故対策の専門機関であることを、外国の方や国際会議においてわかりやすく説明するために、総合的な英文版パンフレットを新たに作成しました。

別添資料

平成26年度上半期業務実績(PDFファイル/825KB)PDF

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